3.10 肝臓


3.10.0 肝臓とは

肝臓とは、腹部上方にある実質臓器(中身の詰まった臓器)です。 消化管からの静脈をうけ、蛋白の合成や解毒をしています。

3.10.1 位置とかたち

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概要

  • 位置

    横隔膜の直下、腹部上方にある。

  • 名称
    • 部位:無漿膜野、肝円索(裂)、肝門と三つ組
    • 面 :横隔面、臓側面、前面
    • 区分:右葉・左葉(解剖学的、機能的)、方形葉、尾状葉

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肝臓の位置、かたち

3.10.2 基本的なはたらき

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概要

  • 基本的なはたらき
    • 代謝、合成、貯蔵、排泄

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  • 基本的なはたらき
    • 代謝:解毒したり、要不要を分ける
    • 合成:たんぱく質やコレステロールを作る
    • 貯蔵:糖分やビタミンを貯蔵する
    • 排泄:不要なものを捨てる
  • 具体的なはたらき
    • 炭水化物、脂質、タンパク質の代謝
    • 胆汁酸の合成
    • ビリルビンの排泄
    • 薬、ホルモンの代謝
    • 生体防御(貪食作用)
    • ビタミンD活性化
    • ソマトメジンの合成(成長に関わる)
    • など

3.10.3 組織構造

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概要

組織の分類法

  • 小葉:肝小葉(古典的)、門脈小葉、肝腺房

名称

 中心静脈、グリソン鞘(小葉間結合組織)、肝細胞索、類洞

類洞

  • 特徴:内皮細胞に穴(有窓型)、ディッセ腔
  • 細胞:脂肪摂取細胞(肝星状細胞)、クッパー細胞 など

 

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組織

3.10.4 毛細胆管と胆汁

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概要

胆汁分泌と経路

毛細胆管→小葉間胆管→肝管→総肝管→総胆管→十二指腸

胆汁の役割

  • 排泄:ビリルビン、コレステロール、薬物、重金属など
  • 消化吸収補助:胆汁酸

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胆汁分泌と胆汁の役割

3.10.5 動脈と門脈

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概要

  • 入る血管
    • 栄養血管:固有肝動脈
    • 機能血管:門脈

  • 出る血管
    • 肝静脈
  • 門脈系の血管
    • 主な血管:脾静脈、上・下腸間膜静脈
    • 他の血管:左胃静脈と食道静脈叢、臍傍静脈、直腸静脈と直腸静脈叢

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肝臓に入る血管

3.10.6 門脈圧亢進症と側副路

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概要

側副路
  • 臍傍静脈ルート

    臍傍静脈→腹部皮静脈→上大・下大静脈→心臓

  • 左胃静脈ルート

    左胃静脈→食道静脈叢→奇静脈→上大静脈→心臓

  • 直腸静脈ルート

    上直腸静脈→直腸静脈叢→中・下直腸静脈→下大静脈→心臓

  • 後腹膜ルート

    門脈の消化管領域→レチウスの静脈→上大・下大静脈→心臓

参考:門脈圧亢進症を起こす疾患

先天性、腫瘍塞栓、特発性、日本住血吸虫、
Budd-Chiari症候群、肝硬変、右心不全

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門脈圧亢進症

3.10.7 ビリルビンの排泄と腸肝循環

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概要

ビリルビン
  • 由来:赤血球
  • 種類:間接ビリルビン(非抱合型)、直接ビリルビン(抱合型)
  • 肝臓で加工され、水に溶けるようになる。

ビリルビンの腸肝循環
  1. 十二指腸に排泄
  2. 腸内細菌がウロビリノゲンに変える
  3. 便で排泄、一部は門脈から吸収され肝臓に入る
    1. 一部は肝静脈から心臓へ(4.へ)
    2. 一部は再び直接ビリルビンになる(1.へ)
  4. 心臓から全身経由で腎臓から排泄

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ビリルビンの腸肝循環