2.5 神経組織


2.3.0 神経組織とは (概要)

4大組織のうちのひとつです。

神経組織は、指示を臓器や筋肉に伝えたり、
変化を感知してその情報を伝える役割があります。 電気をつかって伝えます。

神経組織には、神経細胞(=ニューロン)と、
神経膠細胞(=グリア=グリア細胞)に分けられます。

2.5.1 細胞

動画

概要

神経組織

  • 神経細胞
  • 神経膠細胞
    • 中枢
      • 希突起膠細胞
      • 小膠細胞
      • 星状膠細胞
      • 上衣細胞
    • 末梢
      • 衛星細胞
      • シュワン細胞

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神経組織の細胞

神経組織の細胞は2つのグループがあります。
神経細胞と、神経膠細胞です。


神経細胞

ニューロンとも言います。 神経細胞は場所によって色々な形があります。
典型的には、核のある細胞体から軸索と呼ばれるコードが伸び、
神経終末といわれる部位で終わります。
神経終末は別の神経組織や組織に連絡しています。

電気の流れは細胞体→軸作→神経終末です。
他の細胞から電気を受ける場合、樹状突起と呼ばれる細胞体の突起部分に
他の神経細胞の終末が連絡していて、電気を受けます。

神経膠細胞

グリアともいいます。
神経膠細胞は中枢神経と末梢神経でさらに分類されます。

<中枢神経系のグループ>

星状膠細胞
中枢神経の神経膠細胞のひとつ。
アストロサイトとも言います。
血液と物質交感をして、神経細胞へ栄養を渡す役割があります。
血液脳関門に関与します。
小膠細胞
中枢神経の神経膠細胞のひとつ。
ミクログリアとも言います。
中枢神経系にいるマクロファージ系の細胞です。
老廃物を貪食してお掃除する役割です。
希突起膠細胞
中枢神経の神経膠細胞のひとつ。
オリゴデンドロサイトとも言います。
神経細胞の軸作に幾重にも巻きつき、伝道速度を早くします。
幾重にもまきついた部分は電気を通さないようになっており、
電気信号がまきついた部分を飛び越えて電気が伝わるため、
電気の伝道速度が速くなります。
上衣細胞
中枢神経の神経膠細胞のひとつ。
脳質の壁を作ったり、脊髄の中心管の壁を作っています。
中枢神経は重要で脆い臓器のため、水(脳背髄液)に浮かべて保護しています。
脳背髄液の対流を作り出しています。

<末梢神経系のグループ>

衛星細胞
末梢における神経膠細胞のひとつ。
アストロサイトと同じ役目を持つ。
神経を栄養しています。
シュワン細胞
末梢における神経膠細胞のひとつ。
オリゴデンドロサイトと同じ役目を持つ。
神経軸索に幾重にも巻きついた場合と、 単純に包み込むような場合とがある。
巻きつき方の違いは伝道速度の違いにあらわれます。

2.5.2 分類

動画

概要

つくりでの分類方法

  • 中枢神経
    • 脊髄
  • 末梢神経
    • 脳神経
    • 脊髄神経

役割での分類方法

  • 伝達方向
    • 求心性神経
    • 遠心性神経
  • 伝達先の器官
    • 体性神経
    • 内臓神経(自律神経)

テキスト版

神経を指す用語

①つくりでの分類

中枢神経
脳と脊髄を纏めて指す言葉です。
末梢神経
脳から出る末梢神経を脳神経、
脊髄から出る末梢神経を脊髄神経といいます。

脳神経は左右12対あり、それぞれに名前が付いています。
脊髄神経は左右31対あり、背骨の高さで指しますが、
末梢にいくほど枝分かれして枝分かれした先は名前が付いています。

②はたらきでの分類

遠心性神経
脳からの指令を体へ伝える神経を遠心性神経といいます。
中枢から末梢へ伝達する方向の神経を指す言葉です。
求心性神経
末梢からの情報を中枢へ伝える神経を求心性神経といいます。
末梢から中枢へ伝達する方向の神経を指す言葉です。
内臓神経
内臓へ分布する神経を指す言葉です。
体性神経
内臓以外へ分布する神経を刺す言葉です。
特殊感覚
頭にある感覚器官の総称名。
具体的には、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、平衡感覚を指す。

2.5.3 自律神経とフィードバック

動画

概要

自律神経は、体の恒常性(ホメオスタシス)を保っています。

恒常性を保つ方法として、フィードバックシステムを使っています。

テキスト版

自律神経の役割 概要

自律神経は、呼吸・循環・体温など、体の状態を一定の範囲に保つように働いています。
これを恒常性(ホメオスタシス)の維持といいます。

どうやって一定に保っているのかというと、フィードバックというしくみを使っています。

フィードバックとは何か

フィードバックシステムは体の調節だけでなく、いろんなところに使われています。

たとえば、暖房を25度に設定していて部屋が20度だったら暖房が働きます。
26度になれば、暖房が切れます。
設定温度で一定に保たれるようになっています。
このコントロールにフィードバックが使われています。

フィードバックの構成には、

  • 情報をモニタリングする部分(受容器)
  • 情報を受け取って指示を出すコンピュータ部分(調節中枢)
  • 指示を受け取って調整する部分(効果器)

があります。そして、

  • 受容器から調節中枢へ伝える部分
  • 調節中枢から効果器へ指示を伝える部分

が必要です。

エアコンで言えば、室温の感知部分があって、
その情報をエアコンのコンピューターに伝えます。
コンピュータは設定温度と比べ、25度未満なら暖房を働かせ、
25度以上なら暖房を弱めたり切る、ということです。


これを一般化すると、
モニタリングの値が、基準より多ければ原因を少なくし、
基準より少なければ原因を多くするように、
調節中枢が効果器へ指示をだす、となります。

この一連のサイクルがフィードバックシステムです。
結果を次の始めに持ってきて調節します。
経営や仕事におけるPDCAもフィードバックです。

2.5.4 交感神経と副交感神経

動画

概要

自律神経=交感神経+副交感神経

交感神経 → 活動、消費、環境へ対応
副交感神経 → 休息、貯蓄、回復・成長

自律神経における求心性神経

  • 一次ニューロン・二次ニューロンとは
  • 関連痛とは

テキスト版

交感神経と副交感神経

交感神経
主に活動をつかさどります。
「戦うか、逃げるか」という表現がされます。
外界への対応といっても良いでしょう。
対応するために、エネルギーをつくって消費する方向に働きます。
体を動かすために骨格筋への血流が増え、
呼吸器系や循環器系の活動が活発になります。
副交感神経
主に休息や回復、成長をつかさどります。
活動によって消費したエネルギーを蓄え、消耗した体を回復させる役割です。
副交感神経が働かないと、体を休めたり回復させることができないので、
疲れが取れません。
消化器系の活動が活発になります。

自律神経における求心性神経

交感神経にも副交感神経にも求心性神経があります。
交感神経求心路は、主に内臓の痛覚を伝えます。(虫垂炎初期など)
副交感神経求心路は、主に内臓の感覚を伝えます。(血圧など)

情報を伝えるとき、幾つかの神経細胞を乗り継いで伝えます。
求心性神経の場合、1つ目に伝える神経を一次ニューロン、
2つ目、3つ目に伝える神経を2次ニューロン、3次ニューロンといいます。

関連痛とは

内臓の痛覚情報をつたえる神経は、
途中から体の痛みを伝える神経と同じです。
これによって、内臓からの痛みを体からの痛みと認識する現象があります。
これを関連痛といいます。

有名な関連痛は、尿管結石や心臓の痛みがあります。
尿管結石は太もも(特に内側)、
心臓は頸や肩の痛みとして感じることがあります。

2.5.5 特徴の比較

動画

概要

交感・副交感のちがい(一例)
交感神経副交感神経
働き全身性局所的
切り替わり時間長時間短時間
局在(高さ)T1~L2Ⅲ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ,S2~4
神経節椎前神経節、交感神経幹終末器官の近く
神経伝達物質ノルアドレナリン(例外あり)アセチルコリン

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交感神経

危機への対処中などに急に効果が切れてしまっては困ります。
また、急に対処が必要なときにサッと切り替わらないと困ります。
そのため、交感神経は興奮しやすく効果が切れにくくなっています。

末梢神経として出てくる脊髄レベル(高さ)は胸椎1番から腰椎2番の間です。

神経細胞の乗り継ぎ場所は、椎前神経節や交感神経幹です。

神経伝達物質はノルアドレナリンです。

副交感神経

急な危機への対処のとき、ダラダラしていては困ります。
そのため、パッと効果が切れるようになっています。

末梢神経として出てくる脊髄レベルは、仙椎2~4番です。

神経細胞の乗り継ぎ場所は、目標の器官の近くです。

神経伝達物質はアセチルコリンです。