2.2 上皮組織


2.2.0 上皮組織とは (概要)

上皮組織とは、4大組織のひとつです。
体表や体腔を覆って体の内外を分けています。
また、腺をつくります。

たとえば、
皮膚は代表的な上皮組織です。
皮膚にある腺は、汗腺です。

2.2.1 上皮の分類

動画

概要

  • 被蓋上皮
      1. 扁平上皮
      2. 立方上皮
      3. 円柱上皮
    1. 層構造
      1. 単層
      2. 重層
      3. 偽重層(多列)
    (3.移行上皮)
  • 腺上皮(※次回以降の動画)

上皮組織には以下の2つがあります。

  • 被蓋上皮
  • 腺上皮

テキスト版

被蓋上皮

分類

被蓋上皮は「形」と「層構造」で分類します。

形は、扁平、立方、円柱
層構造は、単層、重層、偽重層(多列)
特殊なものに、移行上皮があります。

偽重層とは、
単層だけど立体的に入り組んでいて、組織切片で見ると重層のように見えるものを指します。

移行上皮は、膀胱に見られ、
内容物の体積に応じて伸縮することができるしくみを持った上皮のことです。


役割

扁平は薄いため、物質移動がしやすいので、拡散・浸透を伴うところに多くあります。 血管の内側は単層扁平上皮です。

立方や円柱は、分泌や吸収を行うところに多いです。
分泌するには分泌物を合成する場所が細胞内に必要で、
そういうしくみを細胞内に持つために、体積が大きくなります。

2.2.2 場所の具体例

動画

概要

上皮の所在 例

  • 単層
    • 扁平
      • 血管内皮
      • 腹膜  など

    • 立方
      • 腎臓など
      • 尿管
    • 円柱
      • 消化管
      • 子宮(線毛つき)
    • 多列
      • 気管(線毛つき)
  • 重層
    • 非角化性重層扁平
      • 口腔
      • 膣 など
    • 角化性重層扁平
      • 皮膚
    • (立方・円柱)
      • (食道)
      • (尿道の一部など)
  • 移行上皮(=膀胱)

2.2.3 極性と分化

動画

概要

極性:自由面、外側面、基底面

分化:線毛、微絨毛、不動毛

テキスト版

極性

極性とは方向のことです。

上皮組織は基底膜に付きますが、
基底膜に付いた面を基底面といいます。 基底面には、基底膜に固定するヘミデスモゾームがあります。

外側面とは、隣の細胞と接した面です。

基底面の反対側を自由面といいます。
たとえば、消化管の管腔側や皮膚の体表面などです。

自由面の分化

場所によって、自由面のかたちにバリエーションがあります。

線毛
鞭のように毛が伸びた構造。 断面には芯が規則正しく並ぶ。卵管や気管などにある。
微絨毛
細かい刷毛のような突起状の構造。 吸収する部分にある。
不動毛
細かく枝分かれした構造をもつ。 精巣上体にあって、精子の成熟とに関与する。

2.2.4 腺と分泌

動画

概要

腺の分類

  • 外分泌
  • 内分泌

分泌様式

  • 開口分泌(エクリン分泌)
  • 離出分泌(アポクリン分泌)
  • 全分泌(ホロクリン分泌)

テキスト版

腺の分類

腺分泌には、内分泌と外分泌とがあります。

外分泌

外分泌は体外に分泌するもので、たとえば消化液や、汗などの汗腺があります。
導管と呼ばれる管が外側へ開いていて、導管を通って分泌されます。

内分泌

内分泌は体内に分泌するものです。
たとえば、甲状腺や性腺(精巣・卵巣)などがあります。
膵臓のインスリンが有名です。
導管が消失して外との交通はありません。

分泌様式

分泌の仕方には3つあります。

開口分泌(エクリン分泌)

大部分の分泌様式です。汗腺が有名です。
細胞内で分泌物をシャボン玉のように包んで細胞膜へ運びます。
つつんだ膜は細胞膜と融合して中身だけを外へ放出します。

離出分泌(アポクリン分泌)

細胞の一部が切り離されて、それが分泌物になる分泌様式です。
元になった細胞は再生され、成熟するとまた切り離されて分泌します。
特徴として、色や臭いがあります。耳の中(外耳道)やわきの下、
性器や肛門周辺、乳腺にあります。

麝香(天然ムスク)はアポクリン腺らしいです。

全分泌(ホロクリン分泌)

細胞に分泌物を溜め、
分泌するときには細胞全体が崩壊して分泌します。
皮脂腺があります。小鼻などイメージしやすいですね。